【会員インタビュー】XR・メタバースで社会課題解決に挑む!株式会社リプロネクスト

2024年4月18日 ブログ

フィジカルとサイバーの融合により様々な社会課題解決に取り組む「株式会社リプロネクスト」にインタビュー!

J-Startup NIIGATAにも選定され、令和5年度新潟市概念実証支援補助金にも採択された株式会社リプロネクストの藤田社長に、事業内容やXR・メタバースの活用事例などをお聞きしてきました。

概念実証を行った「メタバース自社プラットフォーム開発実証事業」では、既存のプラットフォームでは実現できなかった、顧客ニーズに合わせたカスタマイズを可能にし、メタバースをより身近に、実用的に使えるツールとしての活用が期待されています。 

―まずは株式会社リプロネクストがどのような会社なのか教えてください。
藤田:「世の中にある“知ってもらえれば良さがわかるのに”、“うまく良さが伝えられない”といった課題に対して、メタバースやXRを活用してその魅力を伝えるWebマーケティングを提供しています。また、メタバースを活用して物理的な距離という障壁を取り除くことで、雇用の創出や経済発展に貢献したいと考えています。

―どういった経緯でメタバース事業を立ち上げようと思われたのですか?
藤田:「もともと私は東京でWeb系の広告代理店に勤務していました。新潟に戻ってきて創業してからも前職と同様の事業をしており、その時は“どうやってコストを抑えた広告を作るか”ばかり考えていました。しかしある時、自分のやっていることが経済を停滞させているのではないかと疑問を持ち始め、地域の経済を活性化させるためには、地域の垣根をなくし、伝えたい情報を県外・海外に発信することが必要だと思うようになりました。物理的な距離の問題や、言葉だけでは伝わりにくい情報を、VRを使って発信してみてはどうかという視点で事業をスタートしたことがきっかけです。そこからメタバースの活用に発展していきました。」

―メタバースというとアーティストライブやゲームなどを想像するのですが、リプロネクストではどういったメタバースの活用をしているのですか?
藤田:「確かに世の中ではエンタメ向けのメタバースが目立っていますが、当社はメタバースを単にエンタメツールとしてではなく“課題解決ツール”という視点で取り組みをしています。例えば自治体向けでしたら、都市開発で公園の建設を構想するにはイメージがつきづらく無難なものになりがちです。より魅力ある公園をつくるためにメタバース空間で体験し、アイデアを出していくことが可能です。民間向けでは採用時や取引先への自社PR時に、自社が何をしているのかを伝えるツールとしての導入が進んでいます。特に、日常に溶け込んでいるものを作っている企業や、イメージが先行して本当の魅力が伝わりにくい企業は、本社や工場にきてもらってもその良さがうまく伝わらないので、メタバースを利用することで効果的にPRできます。」

―具体的にイメージが湧きづらく、PRが難しいものなどはメタバースと相性が良さそうですね。
藤田:「そうですね、例えば“建設業”はイメージだけで“身体を使う仕事”となりがちですが、本当の魅力は街を造ったり、地図に残るものを造っている仕事だということです。しかし、その魅力は言葉だけではなかなか伝わらないので、メタバース内で街ができあがる様子を見てもらうことでイメージしてもらいやすくすることが可能です。また、大学のオープンキャンパスでは、第一志望の学校には直接行くが、遠方の第二志望校には行かないといったケースもあるので、メタバースを活用し気軽にオープンキャンパスを疑似体験することで、物理的な距離という垣根を超えてキャンパスの魅力を伝えることができるといったメリットもあります。」

―現在はメタバースの自社プラットフォーム開発をされているということですが、既存のプラットフォームとはどのような違いがあるのですか?
藤田:「既存のオープンプラットフォームを利用している方からは “新しいこんな機能があったらいいけど・・・”という声をいただきます。オープンプラットフォームでは定められた機能の中でしかメタバース空間を作れませんが、自社のプラットフォームを持てれば、そういったニーズに合わせた機能を自由に追加していくことができる点が大きなメリットです。当社は大多数をターゲットにするようなエンタメ向けプラットフォームではないので、社会課題一つ一つ、お客様の多様なニーズに応えられるようにしたいというのが開発に至った一番大きな理由です。全国の課題解決向けメタバース企業の中ではトップになろうという想いで取り組んでいます。」

―社会課題の解決としてはどのようにメタバースの活用が期待されますか?
藤田:「今考えているのは、不登校のお子さんやひきこもりの方とメタバースを利用し面談を実施する利用方法です。実は不登校のお子さんとの面談は担任の先生が保護者の帰宅時間を待って家庭訪問するため、面談時間の確保に限界があります。メタバース空間で面談できれば夜遅くに面談に行く負担も軽減が可能です。また、不登校やひきこもりの人が外に出る疑似体験をすることで、社会復帰するまでの期間を短縮する小さな一歩となるのではないかと考えています。また、メタバース空間でお店を出すことで、対面で接客を受けながら買い物をしたいがそれができないという人が、メタバース空間内で接客を受けられるようになります。例えば百貨店をメタバースで再現することで、老人ホーム等の施設に入居していて外出が難しいという人には、メタバース空間内で買い物ができる、接客を受けるという疑似体験をしていただくことができます。新たな買い物と体験ができることで、経済発展につながると考えています。」

 

社会に貢献したい、社会課題を解決したいという想いが新たな事業開発につながっているという株式会社リプロネクストの藤田社長。本当に地域・社会のためにできることをしていくためには、これまでの事業に疑問を持つことも必要だとおっしゃっていたことが印象的でした。メタバースは今後急速に発展していく分野であり、これまで体験できなかったこと、出会えなかった人とつながることができることが、経済発展には欠かせないものだと感じました。

株式会社リプロネクストの藤田社長、取材協力ありがとうございました。

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